ついに日本で乳児用液体ミルクが江崎グリコから発売されました。
なぜ今まで発売されなったのか?
海外では一般的に販売されておりましたが、日本においては色々な法律の問題により、製造、販売が行われていなかったのです。
目次日本における乳児用液体ミルクの状況
乳児用液体ミルクは、欧米諸国では一般的に販売されているものの、日本国内においては、特別用途食品の許可を消費者庁から得た製品は現在も販売されていない。液体ミルクが国内販売されない大きな要因の一つとして、『乳及び乳製品の成分規格等に関する省令』において、乳児用粉ミルクである「調製粉乳」は定義されているが、液体状の乳児用ミルクに関しては定義されていなかったことが大きい。従って、乳児用液体ミルクは、事実上製造および販売することができなかった。しかし、2018年8月8日『乳及び乳製品の成分規格等に関する省令』に関して、厚生労働省が乳児用液体ミルクの規格基準を定めた改正省令を公布、施行した。これによって、国内メーカーにおいても液体ミルクの製造・販売が可能となった。
引用:Wikipedia
2018年の法令改正を受けて、2019年3月11日に日本初の乳児用液体ミルク「アイクレオ赤ちゃんミルク」が発売されたのです。
液体ミルク解禁の後押しとなったのは、やはりこれまでの災害での経験だと思われます。
2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震での経験から、液体ミルクの必要性の議論が活発化され、今回の発売に結びついたと思われます。
3.11発売日は、これら経緯も合わせて決められたのでしょうか。
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こちらが、この度販売されたアイクレオ赤ちゃんミルクです。
125ml 12本入りで、2,592円となっています。1本あたり216円になりますね。
引用:トイザらスでの商品紹介です。
哺乳瓶に移し替えるための ストロー付きなんですね。
粉ミルクを作ったことがあれば、この便利さには、非常に助かるなぁと感じるはずです。
気になる安全性は?
やはり赤ちゃんに飲ますもので、安全性が気になるところです。
原材料
- 調整食用油脂(分別ラード、オレオ油、大豆油、ヤシ油、パームオレイン)、ホエイパウダー、乳糖、脱脂粉乳、たんぱく質濃縮ホエイパウダー、ガラクトオリゴ糖液糖、エゴマ油/V.C、レシチン、炭酸K、塩化K、水酸化Ca、V.E、イノシトール、タウリン、5’-CMP、硫酸亜鉛、ウリジル酸Na、硫酸鉄、ナイアシン、5’-AMP、パントテン酸Ca、硫酸銅、V.A、イノシン酸Na、グアニル酸Na、V.B1、V.B2、V.B6、カロテン、葉酸、ビオチン、V.D、V.B12、(一部に乳成分・大豆を含む)
栄養成分
- エネルギー68kcal たんぱく質1.4g 脂質3.8g 炭水化物7.1g 食塩相当量0.04g ビタミンA70μg ビタミンB10.1mgビタミンB20.14mg ビタミンB60.05mg ビタミンB120.1~0.4μg ビタミンC39mg ビタミンD1.3μg ビタミンE2.6mg ビタミンK4μg ナイアシン0.8mg 葉酸26μg パントテン酸0.63mg ビオチン3μg カルシウム41mg リン32mg 鉄0.4mg カリウム92mg マグネシウム5mg 銅0.04mg 亜鉛0.4mg セレン1.6μgβ-カロテン25μg イノシトール6mg リノール酸0.5g α-リノレン酸0.09g 塩素39mg コリン10mg リン脂質34mg タウリン3.1mg ガラクトオリゴ糖0.05g灰分0.3g
原材料に含まれるアレルギー物質(27品目中)
- 乳成分・大豆
引用:江崎グリコ 公式ホームページ
以上のようになっており、アレルギーに関しては乳成分・大豆ですね。
その他、基本的には粉ミルクと同様の成分とされています。
添加物等も基本的には粉ミルクと一緒とされております。
保存料・着色料・香料・酸化防止剤は入っていないとのことです。
安全性に関しては、通常の粉ミルクと基本的には変わらないという印象です。
液体ミルクのメリット
- 利便性に優れる(携帯性がよい・開封してすぐ飲ますことが出来る)
- 滅菌密封していて、粉ミルクと比較して衛生面で優れる
- 災害時の非常時に役に立つ
以上がメリットとして考えられます。
やはり、お湯を必要とせず、時間がほとんどかからずに、開封して哺乳瓶に移してすぐ飲ますことが出来るのは非常に便利です。
外出時にも、哺乳瓶さえ別にもっていれば、どこでも、すぐにミルクを与えることが出来ます。
粉ミルクは、お湯をわかして、溶かしかき混ぜる等の手順があり、やはり雑菌が入る可能性が否定できません。
それと比較すると、滅菌密封された状態の液体ミルクのほうが、衛生面では優れていると考えられます。
また、以上の利便性からも、災害時・緊急時には非常に役に立ちます。
液体ミルクのデメリット
- 費用が粉ミルクに比べてかかる
- ゴミが増える
ぐらいでしょうか?
基本的には、粉ミルクとの併用が良いと思われます。
普段は粉ミルクで、外出時・緊急時に液体ミルクを使うのが経済的ではあるでしょう。
ただ、一度その利便性を経験すると、つい液体ミルクを使用してしまうかもしれません。
このあたりは、個人個人で利用の仕方は違ってくるでしょう。
まとめ
法整備がされたことで、液体ミルクの製造・販売が解禁されました。
製造コスト、利益率の問題もありますが、今後、多くのメーカーから液体ミルクが販売されてくると思われます。
粉ミルクと同様に、アレルギー用液体ミルク等も出てくるかもしれません。
病院(産科、新生児科等)においても、粉ミルクを使用していますが、液体ミルクも今後参入してくるでしょう。
フィンランドでは9割以上が液体ミルクと言われていますね。
今後、日本の粉ミルク・液体ミルクの変遷に注目です。