診療つぶやき6回目 眼内レンズと白内障手術 保険適用、保険点数のお話

6回目 眼内レンズと白内障手術 小耳な話

白内障手術と切っても切れない眼内レンズ、それに関係する保険点数とかのお話です。

2006年過ぎたころから日本における白内障手術件数が100万件を超えてきました。
今現在では150万件近くになっているのではないでしょうか。
1992年ごろは約30万件ですから数倍になってきています。ほぼ右肩上がりですよ。

それに伴い、当然、眼内レンズの出荷枚数も右肩上がりで伸びてきていますから、医療機器としては伸びに伸びてる分野でもあるわけです。

白内障の基本診療点数

2019年現在、普通の白内障手術、K282-1-ロ眼内レンズを挿入する場合(その他のもの)ですが、12,100点です。つまり121,000円です。

昔はですね、眼内レンズは保険収載されていなかったので、患者の自費扱いだったわけです。
つまり1992年より前は、白内障手術は7,600点+眼内レンズ自費でありました。
1992年にはレンズ込みで16,100点となりましたから、レンズ代として8,500点つまり85,000円分プラスになったとも言えるわけです。

これは、言い換えると、眼内レンズ85,000円ぐらいですよってことにもなります。

ちなみにその後1994年に16,200点に少しアップするわけですが、2000年には14,710点、2002年には12,065点そして2006年には12,100点となっております。
この過程で、診療報酬項目における眼内レンズ挿入術がなくなり、分類化され、硝子体手術やほかの手術での同時手術でも算定できるようになったという変化もあるわけです。
これを考えると、しばらくずっと白内障手術の点数かわっていませんよね。

4万円ぐらい下がったままなんて、やってけねぇよ!ってことなんですが、まぁいろんな小細工があり、実はその間に短期滞在手術等基本料なるものやら、なんやらが出てきているわけです。

ややこしい診療点数 短期滞在って何?

日帰りでも施設基準をみたせば、当日入院当日退院なる解釈により、短期滞在手術等基本料1がプラスでとれるわけです。

A400 1 短期滞在手術等基本料1(日帰りの場合)2,856点です。(術前・術後管理や検査、画像診断等を包括評価した点数です。)

基本診療料としてこれだけとれるのは大きなことです。

また1泊でもすれば、A400 3 短期滞在手術等基本料3(4泊5日までの場合)22,010点になります。(この場合出来高算定部分は包括にはなりますが)

白内障手術で、1泊でもこれだけとれちゃうわけです。

また、病院等では入院手術ですと、短期滞在手術基本料3になったり、DPCだとどうだとか色々変化はあります。
何がいいたいかといいますと、白内障手術で出来高的に単純に12,100点+その他実費分(薬とかその他)とってるわけではないのですよということです。
もっとプラスされていたり、白内障手術でも、入院とかだと、まとめて22,010点ってことで、なんかうまい具合にマスクされていたりするわけなんです。

差額の9,910点の使いようで利幅は変わってくるわけです。

以上を考えると、K282-1-ロ 12,100点の部分に関してだけ、白内障手術の点数に関する議論が外部的になされていたりしていたことには、いささか疑問はあるわけです。
2006年以降、単純な水晶体再建術K282-1-ロの点数が変わっていないのは、短期滞在やDPCのほうが実は関係してくるからです。

短期滞在における水晶体再建術の点数に関しては大分いろいろと、適応含めて変わっていますので。ちょっと前まで28,000点ぐらいでしたからね。

眼科医たちの攻防  我らの利益を守れ!

このような、診療報酬の議論に関しては、色々と疑問があるのですが、まぁしょうがないことでもあります。

みなさんの(眼科の)利益をまもる、政治的というかなんというか、なんとかの穴が小っちゃい話ですが、まぁ当然のことなんですけどね。

日本眼科学会のホームページで、会員のみなさまへ、理事会から、というコラムがありますが、そこでは短期滞在、DPC関係は詳細に議論されていたりもしていますが、こういう短期滞在手術等基本料に関しての一般向けのアナウンスってあまりないです。特にそんな必要ないということなのか、単にややこしい話であるのかはおいておきますが、実際、一般の患者側なんて、言われるがままに会計処理されて、1割なり3割なりお金払うわけです。

これが1割なり3割でお金の変化が圧縮されているから、あまり気にもしないわけなんですが、実際は、いろいろと変わっているわけです。

だから開業医さんの外来白内障手術でも、同じ保険で手術していても、実は払うお金は一緒ってわけではなくて、短期滞在とってるかどうかでも結構違ってくるわけなんです。

眼内レンズと白内障手術の材料費のお話

さて、白内障手術と切っても切れない関係の眼内レンズのお話です。
以上の話から、現在は、点数のなかから眼内レンズのコストを払うので、安いにこしたことないんですよ!

レンズとか、その他いろいろ安いほうが、そりゃ利益でるわけですよ。あたりまえですね。

白内障手術の材料費が割に合わないという話で、121,000円の売上に対して80%以上納入価がかかってるよとかいう話を聞いたことありませんか?
白内障で有名な眼科学会のある先生も、具体的に数字だして割に合わない感だしてたのみたことあります。
2009年の調査では眼内レンズの価格が51,000円ぐらいであげられたりもしてますね。
その他の機材とかメスとか縫合用針糸とか含めたら、納入価の合計が10万円超えてましたよ。まぁ現在はほとんど無縫合だから糸とか使いませんけど。

内訳のなかで、超音波装置に必要な機材が26,700円。。たけぇぇぇな。。せめて1万ちょいぐらいじゃねーの。他の値段もまぁそりゃ、高め設定になっていましたけどね。

また某講演とかでは、眼内レンズの納入価に関して、アクリルで67,000円、シリコーン系で84,000円、乱視矯正(トーリック)で140,000円、多焦点レンズで210,000円とか言われてたみたいです。

かなり盛ってる感あるわけですが、そんなこと言われてたみたいですよ。

ネットでも調べたら、それらしき情報がでてきます。

眼内レンズ おいくら?値段の疑問

実際どうなの?っていいますと、それより大分安いに決まってますわ。
まぁ、大学病院だと3万から5万、公的病院で3万~4万前後、民間でマジでピンキリ(2万前後?)、開業医で種類によったり枚数にもよるけど1万前後??みたいな、謎な価格設定を、医療機器メーカーと卸売業者でなんちゃらかんちゃらしちゃってるのもどうかと思いますけどね。
開業医側になるにしたがって、眼内レンズだけじゃなくて機械でもなんでも安くなるわけなんですわ。

それも??ってなぐらい安くなりますよね。

卸業者なら、商品のさばける範囲とか、さばく量で、メーカーからの仕入れ値違ってくるから、卸業者が違ってくると同じ商品でも価格が違うってのはわかるんですよね。

でも同じ卸業者なら同じ商品の末端価格はある程度揃えてくれよ!とかなんとか、、、、普通思うでしょ!

まぁ勤務医の立場ですと、別にそこまで思わんですかな。

テレビ買うのにお店で、(なんとかカメラのほうがなんとか電気より安いとかどうとか)同じ商品でも安い、高いはありますよね。そりゃそうですわ。

でも、同じお店で同じ商品なのに、あなたは10万円、うーん、あなたは20万円でーす、あなただったら3万円!とかだったら、おいおい、ふざけた価格設定すんなよって思いませんか??

つまるところ病院側の部分まで卸業者的に納入価格を決めさせられるあつかいなんですか??じゃぁ卸業者別にいらなくないですか?え?病院のSPD的にはどうなんですか??ってかんじなんですよ。

はい、勤務医の方とかですと、どうでもいい話ですかね??開業医の方も安いからいいじゃん的な立場ですよね。。

すみません。

ちなみに多焦点レンズなんか、そりゃ先進医療で保険屋さん負担してくれちゃったりしてるんだから、、今のところは、、もうちょいは、、、まだいけるんだから。
だから、そんなの、やってる医者との相談ちゃいますか?

値段も値段ですし、今のうちに、ぼったくってるんちゃいますか?

まとめ

とはいえ、白内障手術、普通にいけてるよって話でした。じゃないと沢山手術するわけないじゃないですか。

薄利多売ってわけでもないんです。。

なんでこんなこと書くかって??
そりゃ、人間の欲望に呆れることもあるからですよ。
でも内容的にはぜーんぜん、大したことないですよ。

もっと書けないブラックボックス的なことだってあるかもしれません?

はい、お疲れ様でした。
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この記事を書いた人

常識を無視し、権威を無視し、束縛を無視し
専門医など関係なく叩き上げのスキルと己の魂が私の武器
その名はドクターMAX

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