診療つぶやき7回目 ERM!たかがERM、されどERM.. 網膜前膜(黄斑前膜)と硝子体手術のお話

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7回目 ERM(epi-retinal membrane)、網膜前膜、黄斑前膜のお話です。

硝子体手術ではよくある手術で基本手技?

ERM、はってたらバンバンとっちゃうよ!って方もいらっしゃいますか?

歪み出る前にとっちゃいましょうよ!簡単だから、すぐ終わるから!などなど。

まぁ、手術には常に魔物が潜んでいるわけで、いつ出くわすかどうか、内心ビビりながらも、ついその気持ち忘れちゃったりしながら手術に勤しんでいるわけなんですね。

PVD起きてて、ERMだけとか、そりゃCatこみでも症例によっては15分くらいで行けちゃうわけで、38,950点+12,100/2点、よっしゃーとか内心思っちゃったりしてませんか?

手術の魔物たち

そんな折に、手術の魔物さんがヒョッコリ出てきたら、そりゃ1大事なんですわ。
術中の魔物もやっかいですが、術後の魔物さんも厄介なんです。
術後網膜剥離とか術後硝子体出血とかは、別にわかりやすいから、けっしてよくはないけど、まだいいんですよ。取り敢えず治しましょうや。

そりゃ、ERM→網膜剥離→PVRとかはマジ勘弁ですよ。

でもね、地味にいやなのは、わけわからん視力低下とかで、そりゃ、どうしようもないんですね。

術前視力いいのにイケイケ手術やっちゃって、手術問題なくても視力下がること、あるんですわ。

再発予防で、ILMなんて、俺っち、簡単に剥いじゃうからね!みたいなかんじでバンバン剥いでたりすると、症例によっては、あれ?網膜痩せてね?とか、なんか視力出なくなってね?みたいなこともあるわけですよ。

そんなことねーよ!剥ぎ方がわりーんだよ!って方がいたら、おそらく今、イケイケ時期なんですね、ずっと続くといいですね、とやんわり、いなします。

または、時々お見かけする、ヤり逃げサージャンかもしれませんね。
手術バンバンするけど、術後あんまり見てない方達ですが、ヤり逃げサージャン、または、ヤるだけサージャンと呼ばして頂いております。
ご高名な方でも時々お見受け致します。

医者が増えれば病気が増える!?

まぁ、ERMってOCTでもわかりやすいから、患者側も、「何か張ってますねー」みたいに、納得しやすいのはあるんですよね。

ですが、視力よくて、歪視も殆ど無いのに手術して、視力が下がった場合にはトラブルになりやすいわけです。

もちろん、キマれば視力もでるし、歪みも改善しますよ!

でもそれって、おそらく術者の腕とかいうより、ERMの張り方、癒着の度合い、ERMによって網膜が歪んでいた期間、OCTで網膜の層がいくつか見えますが、その細胞レベルでのダメージ・歪みの状態が大きく関係しているはずです。

ある一定の技量がある硝子体サージャンにおいて、ERMの剥ぎ方なんて、網膜を傷つけないとか、できるだけ負担をかけないようにとか当然のことで、別に神業の差がでるかっていうとそんな事ないと感じます。
癒着強ければ、誰だってそれなりに引っ張りながら取りますし、そこに神業が関与するかといわれたら、そこまで関係ないよね。。と思います。
すみませんね神業の方々!

気分を害されたら申し分けありません!

そんなこんなで、予防的手術の考え方で、適応を拡大するのはどうかとも思いませんか?

弁護士増えれば訴訟が増えるとか言われることがありますよね?

医者が増えれば病気も増える。これ、あるかもしれません。

こういうリスクも、一定の割合でおきる確率的リスクとして、気にせず?どんどん手術するビトのボリュームサージャンもいるわけなんですが。。

まぁ、みなさん、お手柔らかに。。   というお話でした。
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この記事を書いた人

常識を無視し、権威を無視し、束縛を無視し
専門医など関係なく叩き上げのスキルと己の魂が私の武器
その名はドクターMAX

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