7回目 ERM(epi-retinal membrane)、網膜前膜、黄斑前膜のお話です。
硝子体手術ではよくある手術で基本手技?
歪み出る前にとっちゃいましょうよ!簡単だから、すぐ終わるから!などなど。
まぁ、手術には常に魔物が潜んでいるわけで、いつ出くわすかどうか、内心ビビりながらも、ついその気持ち忘れちゃったりしながら手術に勤しんでいるわけなんですね。
手術の魔物たち
そりゃ、ERM→網膜剥離→PVRとかはマジ勘弁ですよ。
でもね、地味にいやなのは、わけわからん視力低下とかで、そりゃ、どうしようもないんですね。
術前視力いいのにイケイケ手術やっちゃって、手術問題なくても視力下がること、あるんですわ。
再発予防で、ILMなんて、俺っち、簡単に剥いじゃうからね!みたいなかんじでバンバン剥いでたりすると、症例によっては、あれ?網膜痩せてね?とか、なんか視力出なくなってね?みたいなこともあるわけですよ。
そんなことねーよ!剥ぎ方がわりーんだよ!って方がいたら、おそらく今、イケイケ時期なんですね、ずっと続くといいですね、とやんわり、いなします。
医者が増えれば病気が増える!?
まぁ、ERMってOCTでもわかりやすいから、患者側も、「何か張ってますねー」みたいに、納得しやすいのはあるんですよね。
ですが、視力よくて、歪視も殆ど無いのに手術して、視力が下がった場合にはトラブルになりやすいわけです。
もちろん、キマれば視力もでるし、歪みも改善しますよ!
でもそれって、おそらく術者の腕とかいうより、ERMの張り方、癒着の度合い、ERMによって網膜が歪んでいた期間、OCTで網膜の層がいくつか見えますが、その細胞レベルでのダメージ・歪みの状態が大きく関係しているはずです。
気分を害されたら申し分けありません!
そんなこんなで、予防的手術の考え方で、適応を拡大するのはどうかとも思いませんか?
医者が増えれば病気も増える。これ、あるかもしれません。
こういうリスクも、一定の割合でおきる確率的リスクとして、気にせず?どんどん手術するビトのボリュームサージャンもいるわけなんですが。。