5回目 経営者ってなんですか? 開業医の経営者的メリットとは?
開業医の話になります。
開業いたしますと、自分の病院を立ち上げたという自負や自己責任に伴う充足感は得られると思いますし、経営者という立場にもなります。
勤務医と比べると、なんかステップアップしたんだよ、ひとつ突き抜けたんだよ感でてくるのはあると思うんです。
世間が広くなったというか、なんというか。
人を実際に雇用するということで階級的ランクアップ感も出てくるわけなんです。
雇用者・経営者であり、労働者である勤務医とは立場が違うことを意識するのは当然であります。
開業医は経営者としてどうか?
ただし、気分を落とす話ではないんですが、個人開業医の場合、特に医師が本人のみの場合は、本来の経営者であるというメリットに関しては、それを十分に享受出来ているとは言えないんですね。
基本的に例えクリニックを法人化したとしても、メインで働く医師が院長(経営者)本人であるならば、個人事業主の延長でしかなく、他の企業における経営者とは立場が違うのです。
伝統工芸の職人工房的なものに近いかもしれません。
何が言いたいかといいますと、個人開業医は経営者でありながらも、ほぼ主要な労働者であるということです。
特に、といいますか、多くがそうなのですが、自身のブランド力によるクリニックであればあるほど、自分抜きでは成り立たなくなるわけなんです。
芸能事務所の代表取締役、兼、その事務所のメイン芸能人みたいなものです。
まとめると、経営者なんですが、結局自分が労働者として働かないと成り立たないということなんです。
開業医は経営者!でも労働者?
自身が労働者として働く量に応じて、経営しているクリニックの収益が変わります。
そこには限界がありますし、ピンハネされない分単価はあがりますが、結局、労働量や時間とのトレードにしかならないわけです。
さらに仕事としては、メインの労働力としての労働者の仕事がありながらも、経営者としての仕事もしないといけません。
そこを理解して、自分に合っているのかどうかを判断しないと、長く開業医をすることがしんどくなってくるわけです。
ですから、開業医としてではなく、経営者的な立場を強く求める人は、自分以外の人をメインとなりうる労働力として使用するシステム(医師を雇って労働者として使用して、自分が労働しなくても成り立つようにする。または分院を多くだして時間的収入単価を上げるなど。)を構築することが必要になります。
そうなってくると、本来の意味での経営者になってくるわけです。
まあそれでも十分いいんですが。。
しかしながら、別にメイン労働者兼経営者的な個人開業医で十分なことではあるんですけどね。
もしかして自分が求めてるものが、すごい経営者的な立場だったりすると、ただ単に開業するってのは、それは違うんだよということなんです。
普通の個人開業医でも、税金とか含めますと、ある程度金銭的メリットはあるわけですし、勤務医と違ってピンハネされない分、出来高そのまま収入につながるわけですから十分なんです。
そして経費やら特例やらで、給与所得におけるガンジがらめの税金から少し自由になれるので、それだけでも違う世界に入った感じあるわけですよ。
売上的には、せいぜい頑張って中小企業程度ですが十分なんです。
といいますか、個人開業医の場合は中小企業基本法で該当するわけですから、定義・分類上そのとおりなんです。
まぁ中小企業の中でも、特別突き抜けた売上になるわけでもないのですが、それでも十分なんですよ。
結局、以前ふれたように、何がしたいか、何を求めているかになってきますよね。
店舗型の事業として医院開業ほど利益率が高く、新規事業として廃業しにくいものはあまりないのは確かです。
他の事業分野と比べて、経営センス抜きにして、なんとか存続できる可能性が高いことは凄いことなんですよ。
結語
結論としては、今から一般的な個人開業を考えている人は、個人開業医としてのメリットの範囲をある程度知っておいたほうがいいですよということです。
経営者ですよ!経営者?経営者ってなんですか??って話でした。